NHKで放映された連続テレビ小説「らんまん」の主人公、世界的な植物学者・牧野富太郎博士の植物研究所が、大正時代から昭和時代初期まで神戸市兵庫区の会下山公園にありました。
不遇の植物学者と呼ばれた牧野富太郎の会下山での足跡をたどりながら、桜の開花まもない早春の会下山公園を散策しました。
牧野坂を登ると牧野富太郎・植物研究所跡
牧野富太郎と会下山

「会下山」と書いて「えげやま」と読みます。神戸市兵庫区のまちなかにある小高い山が公園として整備され、市民の憩いの場になっています。
会下山公園へ登る坂道は住宅街になっていますが、けっこう勾配がきつい。会下山小公園へと続くこの坂道は「牧野坂」と呼ばれているそうです。

会下山小公園に通じる坂の途中に案内が出てきました。この先に牧野富太郎の植物研究所跡があります。

牧野富太郎の標本が置かれていた植物研究所をイメージしたバーゴラと、記念の石碑。
神戸の町並みが見渡せます。

神戸の大地主で、当時25歳で京都帝国大学在学中の池長孟(いけながはじめ)の経済的援助により、この地に植物研究所が作られ、牧野が収集した膨大な植物の標本がここに置かれました。

スエコザサは奥様の「壽衛子」の名前から命名、内助の功を忍び永久に感謝の心を残したとのこと。

牧野富太郎が滞在時の宿にしていた「会下山館」(会下町2丁目にあった)の門柱として使われていた、大きくて長い石がありました。

朝ドラ「らんまん」のおかげで、会下山の植物研究所跡もこんなにクローズアップされることになったのでしょうね。
牧野富太郎と会下山のつながりが興味深かったです。
会下山公園は桜の名所、頂上からは「神戸らしい展望」が

研究所跡地から坂道の階段を上がると会下山小公園、さらに坂道を登ると頂上には大きな広場が広がっており、遊具で遊ぶ家族連れなどで賑わっています。
公園はジョギングコースにもなっています。


会下山公園は身近なお花見スポットとして、桜の季節はお花見で賑わいます。
この日はまだ2分咲きくらい。

左手にあるのは、南北朝時代に湊川の合戦で楠木正成がここで陣をはったという記念碑。
会下山公園のこの場所からの眺めは、神戸らしい展望景観50選.10選に選ばれています。
この穴から覗くべしということですね。どれどれ。

穴からはちょうどポートタワーが見えました。写真だと霞んでいて見えにくいですが、海も見えます。

楠木正成の本陣の記念碑。石碑に刻まれているこの文字は、日露戦争で活躍した東郷平八郎の筆によるもの。
会下山公園を通り抜ける湊川隧道はレトロ感いっぱい

会下山公園の西側に降りると、会下山を貫通している湊川隧道の吐口側に出ます。
隧道(ずいどう)とはトンネルを意味します。湊川隧道は明治34年に完成した日本初の河川トンネルです。

レンガ作りが歴史を感じさせます。重厚でレトロ感あふれるおしゃれな雰囲気です。
湊川隧道は保存会により守られ、通り抜けや隧道の中で開催されるコンサートなどのイベントが催されています。
インフォメーション
アクセス
神戸市営地下鉄・上沢駅より徒歩8分
神戸高速線・大開駅より徒歩14分
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