神戸の中心地・元町に広がる中華街南京町。
ここは観光地らしいエキゾチックな華やかさといつも活気にあふれるグルメやショッピング、散策を楽しめる人気スポットです。
この記事では南京町を初めて訪れる方でも安心して楽しめるよう、見どころ・アクセス・おすすめグルメまでを案内します。
観光スポット南京町の魅力
なぜ神戸に南京町?
鎖国から開国への流れで神戸港が開港し、1868年(慶応3年)外国人専用の居住・営業のための神戸外国人居留地が設置されました。
条約締結国でなかった清国(当時の中国)から来た人々は居留地に住むことができなかったため、居留地のすぐ西隣に移り住み市場を形成したのが南京町の始まりです。

実は「南京町」という住所は地図には見当たりません。
当時神戸の人々が中国のものを「南京」、中国人を「南京さん」と呼んでいたのが南京町の名前の由来です。
戦前の南京町は何でも売っているそれは賑やか町だったそうですが、1945年(昭和20年)の神戸大空襲により、南京町一帯は焼け野原となりました。
戦後の復興期には南京町に闇市や外人バーが立ち並び、治安は悪化し町全体が低迷する厳しい時代が続きました。

転機となったのは1980年代からの神戸市による町の再開発。
また2代目・3代目となった商店主たちの南京町を盛り上げようとする熱い思いにより町の活性化が進み、神戸を代表する人気観光地へと変貌していったのでした。
中国文化の魅力たっぷりの南京町

ここでは、日本にいながら中国文化の魅力をたっぷりと体感できます。
JR・阪神「元町駅」南側の東西約270m・南北約110mの範囲に、100を超える中華料理店、食材店、雑貨店などが軒を連ねています。

南京町には中華風の建築様式や装飾が施された建物・店舗が並んでいます。
こちらは南京町広場の中心にある「あづまや」。
テイクアウトした食べ物を食べる人々で賑わっています。

平日なら日中でもあづまやのベンチに腰を下ろすことができそうですよ。
天井には鮮やかな龍が描かれています。

南京町広場を取り囲むように点在する十二支の石像の中にはパンダが!
中国へ発注したときに「亥」(いのしし)がわからなかったため、パンダが送られてきたそう。

東・西・南の三方に設置された門のうち、南京町へ入る人が最も多い東の入口の長安門。

こちらは西の入口の西安門。

3つの門のうち最初に立てられた南の入口の海榮門。1982年(昭和57年)竣工。

トイレとは思えないゴージャスな造りの市民トイレ臥龍殿。

入口のガラスケースの中に春節祭に使われる龍が展示してあります。
トイレを利用しなくてもこの龍だけでも見る価値ありです。
南京町の名物中華グルメ3選
南京町の魅力といえば、なんといっても本格中華の食べ歩きグルメ。
通りには小籠包や豚まん、北京ダック、ごま団子、スイーツなどの屋台が立ち並んでいます。
1つ数百円から気軽に楽しめる多彩なお店のメニューにどれを食べようかと迷ってしまうほど。
ここでは、南京町の定番ともいえる名物中華グルメ3選をご紹介します。
豚まんの「老祥記」
南京町といえばまず名前があがるのが、老祥記の豚まん。

創業100年以上の南京町を代表する老舗で、行列の絶えない超人気店です。
それでも回転が速いので、列のわりに待ち時間は短い方です。

創業大正4年。紙の包装紙、レジ袋に入れてくれます。

薄い木の皮(経木)に包まれているのがまたよいですね。
持ち帰った時には木のよい香りが豚まんに移ってより一層おいしく感じられます。

豚まんの中身は青ネギの入った醤油味。
皮はもちもちでほんのり甘く、肉汁のしみこんだこの皮だけでもとても美味しいです。
5個入り600円、10個入り1200円(1個売りの販売はなし)。

老祥記豚まんの誕生と、4代100年にわたる歴史が紹介されているマンガ。
「私たちは豚まんを通して、人々の幸せと神戸の発展に貢献します」という、お店のスローガンが素晴らしいです。
北京ダックの「華鳳」

看板だらけの派手な店構えは、北京ダックを手軽に楽しめる屋台グルメを提供している、黄金の本格北京ダック専門店華鳳。

お店の脇でアヒルが丸ごと焼き上げられています。

クレープのような薄い皮にキャベツと細かく切ったお肉を包み、タレをかけてたら出来上がり。

片手で食べられるので食べ歩きにも。500円。
焼小籠包の「YUNYUN」

ビーフンで有名なケンミン食品のお店YUNYUN。
焼小籠包を求める人で、こちらも行列必至のお店です。

焼小籠包は中国語で「上海生煎饅頭」とあるので、上海名物のようです。

大きな鉄鍋にずら~りと並べられた焼小籠包。
待ちながら焼き上がるのをガラス越しに見ることができます。

きつね色に焼けてカリッカリッ。

一口でガブッと食べてはいけません。やけどに注意です。
おいしいスープが中にジュワーッと閉じ込められているので、小さな穴を空けてまずはスープを味わうのが食べ方のコツ。
2階にはイートインスペースがあります。3個450円、6個900円。
観光に便利なアクセス情報
三宮・元町駅からの徒歩ルートと所要時間
《元町方面から》
南京町へもっともスムーズにアクセスできてわかりやすいのが、JR・阪神「元町駅」からの徒歩ルート。
「元町駅」東出口の横断歩道を渡って大丸神戸店を目指して進みましょう。
徒歩約4分で大丸の西側に南京町の入口、長安門が見えてきます。
地下鉄海岸線「旧居留地・大丸前駅」下車ならさらに南京町に近いです。
《三宮方面から》
南京町は三宮周辺で宿泊する方や、観光の起点として三宮を利用する方にも徒歩圏内で行ける好立地。
三宮方面からはJR・阪急・阪神・地下鉄「三宮駅」からも約15分ほどの道のり。
三宮センター街を西へ進み大丸神戸店を目指すのがわかりやすいです。
観光バスシティーループで

神戸市内を周遊する緑色のレトロな観光バスシティーループは、南京町観光にも便利です。
「南京町東口(元町商店街)」または「南京町南口」で下車しましょう。
乗車料金は1回あたり大人300円。
1日乗車券(大人800円)もあり、他の観光地とあわせて回る際にもとてもお得です。
シティーループ公式サイトはこちら。
徒歩で行ける南京町周辺の観光
南京町は神戸観光の中心エリアに位置しており、徒歩圏内に魅力的な観光スポットが点在しています。
南京町を楽しんだあとは、周辺の観光地も組み合わせて散策してみるのがおすすめ。
近隣の「旧居留地」や「メリケンパーク・ハーバーランド」に足を伸ばせば、神戸らしい一日を満喫できるはずです。
「旧居留地」は、大丸神戸店をはさんで南京町と隣同士に位置しています。
旧居留地は短時間でも十分に楽しめるので、レトロな建物を見ながら美しい街並みを歩いてみませんか。
「メリケンパーク」は南京町からは徒歩6分。
メリケンパーク → ハーバーランドのルートでまわってベイエリアを楽しみましょう。
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